信州国際音楽村合唱団VPG 別館

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季刊「合唱表現」27号 2009・2月より
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合唱表現について思うこと
                              作曲家・合唱指導者  小山章三

 信州・上田市に「信州国際音楽村合唱団VPG」と称する独特な歩みを続けている団体がある。
  先日その演奏会を聴いてきた。

  なぜVPGをつけているのか?当日配布されたパンフレットに、  「今のままの活動では物足りない。本当の合唱って何だろう?」と疑問を持った人たちが集まって分家独立、同じ気持で加わった人と共に新しく上田混声合唱団を創立。「我々は飢えている:・」とのスローガンの下、「自ら見出そうとする意欲」に燃えて出発したメンバーは、22歳を筆頭にした24名。それから35年」(以上、横関章団長、団員一同のご挨拶から抜粋)の団体で、不肖私も少し関係を持ったことのある合唱団だから、無関心ではいられない。

 VPGとは「ヴォイス・パフォーマンス・グループ(造語)の略です。合唱団だけでは自分たちの活動内容が十分伝えられないので、冠をつけました。当然歌うだけでなく、理想としては、踊ったり芝居もできるようになりたい、いろいろな表現を取り入れたいと思っています」「とにかく何でもありの合唱団です」と同団のホームページに自己紹介している。

 最近2002年から数年間の演目は「曽根崎心中」「音楽劇・四谷怪談」「蝶々夫人」「芝居・行路死亡人考」「芝居・少々乱暴」で、今年は「音楽劇・曽根崎心中」だった。

  今回公演のプログラムには、原作・近松門左衛門、脚色・演出・藤田傅、作曲・ピアノ・佐藤允彦、振付・西田尭、舞台監督・翁長聡ほかで、配役には団員以外のスタッフやキャスト、協力者たちがそろった。

  …私の感想を一言でいえば「玄人裸足」。
  クロウトハダシとは「その道の専門家が、慌てて裸足で逃げ出してしまうほど、素人でありながらその道に精通している。またはその道に優れた人をさす」のだそうだが、「好きこそ物の上手なれ」だというべきだろうか。

  声明、浄瑠璃、歌舞伎音楽を思わせ、さすがと感じさせられた作曲担当の佐藤允彦氏の手腕に脱帽。

  佐藤允彦氏は「せりふと歌との中間にあたるような発声、多人数の異方向同時進行というような実験的な方法にも挑戦してみた。むろん合唱本来のハーモニーの美も散りばめて。メンバーの方々はずいぶん面食らったことだろうが、稽古を重ねるうちにVPGのひとつのスタイルが出来上がったように思う」と説明しておられる。
 
 しかし、なぜ近松心中なのだろう。

 門外漢の私には理解不能な問題なので、ネットで検索したら『近松心中論〜ワグナー・楽劇「トリスタンとイゾルデ」との対比による論考』に出会った。

  近松とワグナー。両作品とも「悲恋物語」。
  近松は1703年に、ワグナーは1856年に初演している。
  いや、シェイクスピアは? などと詮索するのは止めよう。

  当日の合唱での表現は近松作品にぴったりだったのだろう。演奏者も客席も、熱のこもった拍手に沸いていた。

 合唱表現や合唱活動で物足りないと感じて、別の合唱団へ移ったり、別の集団を作ったりする話を見聞する一般の合唱団では、独自の運営や方針、スローガンを打ち立てて、思い切った歩みもできる。 アマチュアの団体は、歌いたいものだけを歌う自由がある。 プロの団体では、歌いたくないものでも注文に応じなければならない。
  プロとアマについて拙文を書いても詮無いことなので、恩師・岡本敏明先生から学んだことを思い出そう。

 岡本敏明先生は、玉川学園と国立音楽学校(現在の国立音楽大学)で、合唱指導に専念されたが、昭和十年代は、日本放送協会(NHK)の東京放送合唱団の指揮者だったことをご存じない方も多いのではなかろうか。

 東京放送合唱団はプロ、玉川と国立はアマに違いない。
  私の体験では、岡本先生はプロ合唱団の指揮者というより、アマ合唱団の指導者だったというほうが相応しいと思う。

  先生の著書『実践的音楽教育論・・・「どじょっこ」から「第九」まで・・・』に先生の合唱指導の基本を見ることができる。

 ひとことでいえば書名のサブタイトルに集約できる。
  「昭和八年から十三年まで、当時の合唱コンクール(国民音楽協会主催・競演合唱祭)に参加しましたが、中学生の混声合唱は初めてというので珍しがられ、最後の三年間を連続優勝して引退」し、「特定の合唱団だけの参加は、教育的に賛成できないから、全校生でしてはどうか」との小原先生の考えから、原則的に全校出演という主義をとって音楽の生活化を目指した。

 弟子の私が玉川学園の高等部で修行をさせていただいた六年間は、小原國芳、岡本敏明の教育理念に則っての実践だった。
  玉川学園と母校:国立音楽大学で合唱を中心に定年退職まで勤務させてもらって、後期高齢者と呼ばれる現在も合唱と縁が切れないで生きていられる私は、

  「すべての商売は、売りて喜び、買いて喜ぶようにすべし」という二宮尊徳の言葉に真似て

  「すべての合唱は歌い手も喜び、聞き手も喜ぶようにしよう」と考えるこの頃である。

全日本合唱連盟会報ハーモニーNo.113(2000年夏号)に紹介されました
新たなまとまりをめざす信州人パワー
  ″日本の尾根″が南北に走る長野県。山に囲まれたこの地では、古くから大きく四地区に分かれて文化が発達してきた。合唱も、県連の中で四つの地区連がそれぞれ独自の活動をしている。 
  地区連があるのは北海道を除けば全国でも長野だけだといえば、その特殊性がおわかりいただけるだろう。
  上田市の隣、丸子町に信州国際音楽村合唱団VPGを訪ねた。上田混声合唱団として25年を超える歴史を持つ合唱団が今年改名、Voice Performance Group という名のとおり、あらゆるジャンルに果敢に挑戦するこの合唱団には指揮者がいない。自由に動き、気持ちよく声を出す。オペラ、フルガリア民謡、コスペル…「合唱人口が減っていても、カラオケで歌うのはみんな好き。だから合唱団も旧態依然じゃだめですよ」と関哲夫さん。副団長で、東信連盟の理事長も務める横関章さんは「東信地区の合唱を切り開いた大御所たちに代わる、新しい世代が出てきている」と語る。その最先鋒と言えるだろう。

VPGプロフィール

『上田混声合唱団〜信州国際音楽村合唱団VPGプロフィール』
  概 略
創立 昭和48年(1973年)

 
 当
時上田のモナミ合唱団に所属していたメンバーを中心に、
もっと自分たちのやりたいいろいろな音楽に挑戦したいとして枝分かれし、
上田混声合唱団として創立、今日のVPGの基を作りました。
とはいえ、まだまだ普通の合唱団としての誕生でした。

 そしてしばらくは順調に成長していったのですが、
ある頃から、
日本語を日本語とした表現をもっときちんとしたいという欲求が生まれ、
日本の唄、日本の言葉へのこだわりが始まります。
また同じ頃、
指揮者が聴衆と、歌い手の間にいること、
楽譜に視線をとらわれていることへの疑問も生まれました。
 そして、演劇集団との出会い
 発声練習から始まった、演劇の人たちとの関わりの中で
発声だけでなく所作(動き)への挑戦も始まります。
 このころ現在の団の基本が固まり始めました。

 
そして発声面でも、日本語は、日本語の、
日本の唄は、日本の唄の発声も要求され始めます。
 しかし同時にこのことは、
従来の合唱から離れられない人々との決別も生んでしまいました。

 当然残った人々にとっても従来のものと違った合唱づくりは大変で、
とりわけ半ば出来上がった発声を変えることは大変な努力を要求されました。

 
そして試行錯誤の中から現在の形がありますが、
今もまだ、自分たちの音楽を求めて、試行錯誤の途中です。


2000年4月
VPG上田混声合唱団と信州国際音楽村混声合唱団とが合併
信州国際音楽村合唱団VPGとなる


発足当時の上田混声合唱団から数えて、今年(2008年)で創立35年を迎えたこの合唱団が、現在のような姿の合唱団になるとは思ってもいなかったのは、創立メンバーの一人である私だけではない。
 発足当時は、とにかく今までの合唱に飽き足らずに何かを求めて遮二無二突っ走り、いろいろなことに挑戦し続けた。最初に加わったメンバーは30人くらいはいたのだが、増えたり減ったりして、時には9人にまで減少した時もあった。そんな時に市民会館で、「寺内タカシとブルージーンズ」とのジョイントライブを決行したかと考えると、実にエネルギーだけは凄いものを持ち続けていたのだと、自分たちのことながら今更感心するのである。
 そして、「芸能山城組」の上田公演を実現し、それを機に合唱の新しい道を歩むことになる。
 
VPGにとって合唱とは、共有している時間・空間の中で、二人以上の人が同時に声を発することである。
 歌は「訴える=メッツセージ」です。
 団活動は、「各々が、自分の歩きたい方向に自分で率先して歩く事」で始めて活動することでありたい。さらに、そうして発見したものをお互いが伝え合うことで、皆がもっと広範囲の学習が得られるように・・・


 表現するって何なのか?合唱って?音楽って?
 まだまだ挑戦し続けなければならない・・・・・・

画像 ◇信州国際音楽村合唱団VPG◇

  練習会場の音楽村「ホールこだま」は日本初のオール木造ホール。



『仲間になりませんか』

楽譜が読める人
ばっかりじゃなかったりして

歌を歌っている
ばっかりじゃなかったりして

合唱団のようで
合唱団ではないよな合唱団
それが合唱団VPG
 (ヴォイス・パフォーマンス・グループ)

自分達で芝居や演奏会をやるだけでなく
いろんな芸能や音楽を呼んだり、見たり、聞いたり、プロと付き合ったり、
ちょっとだけ変わった合唱団です。

  今、団員募集中
あなたでも、お知り合いでも まずその気になって電話してみませんか
レパートリー 演歌、民謡、ジャズ、ラップ、ロック、ポップス、歌謡曲、 ワールド・ミュージック、オペラ、クラシック、芝居 etc。
資 格 歌うことや芝居が好きな人、人が好きな人、好奇心のある人
練習日 毎週 月・木曜日
練習時間 午後七時〜九時半
練習場所 上田市中央公民館
団費  月 一般¥2、000 学生¥1、000
連絡先 音楽村事務局 0268-42-3436または下記メールへ

MAIL
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